ロケ撮影支援における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインの廃止

2020年6月24日、それまで各フィルム・コミッションが独自に策定していた「コロナ禍における撮影支援ガイドライン」を、関係省庁や業界団体らと協議を重ねて、ジャパン・フィルムコミッションは「ロケ撮影支援における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を策定しました。

全国統一の基準ができたことで、FCと製作者は認識を共有でき、現場での混乱は起きにくくなりました。しかし、同時に窮屈さを互いに受け入れることになり、FCでは基準と照らし合わせると、病院のない島での撮影は遠慮してもらう時もあったり、演出も手間がかかったり、衛生班・クリーンスタッフという役割が増えたり、予算も増えたりなどしました。
ガイドラインの導入で全てが解決したわけでもなく、実際にクランクイン直前に関係者の感染で撮影が中止になったり、FCスタッフも感染したり、週に何度もPCR検査を受けて現場に入るなど、この約3年間は不安を抱えたままの撮影誘致と支援でした。

2023年5月8日付の感染症法の変更に基づき、JFCが策定した「ロケ撮影支援における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」は廃止にしました。
この3年間「ガイドラインはいつまで続くのか?」「ガイドラインの解除条件は何か?」など、多方面から質問を受けてきましたが、ついに廃止(解除)となりました。
とは言っても、コロナ禍は変わりません。

政府からは基本的な感染症対策の考え方の共有と手引書の作成と推奨、および会員FCからのチェックリストの継続の意向などもあり、「ロケ撮影支援の感染症に関する基本的な考え方」と「ロケ撮影の感染症予防対策のチェックリスト」と名称を改めて共有することにしました。

以下がその内容です。

(1)マスク着用は、個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断に委ねることを基本とするが、高齢者等重症化リスクの高い方がいる場合や換気の悪い場所、不特定多数の人がいるような混雑した場所等で撮影等を行う場合は、ロケ地管理者やFC等と協議して、必要に応じて、スタッフのマスク着用を推奨する。

(2)手指衛生を含む消毒については、ロケ地管理者や地域FC等と協議し、必要に応じて行う。

(3)人口密度の高い場所や密閉した場所では、換気を心がけ、他者の健康にも配慮し、安全で安心なロケ撮影の環境づくりをする。

(4)ロケ地によっては、重傷リスクの高い人と接する機会があるため、各ロケ地の事情を考慮し、各ロケ地のルールや条件に沿った行動と対策を取ること。

(5)感染が拡大した際には、地域FCや自治体、ロケ地管理者等と協議し、時限的な対処方針を速やかに決定するとともに、各地域の状況を考慮した対策をとる。

(6)感染が起こった際は柔軟にかつ迅速に対応できるように、ロケ撮影の際に備えるとともに、状況の変化に則して対応できるよう日頃から情報収集・共有を心がける。

上記が撮影現場での新しい日常となり、地域に安心と安全な撮影が行えるよう頑張りますので、撮影への理解と協力を引き続き、よろしくお願いします。

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