コロナ禍で撮影を控えていただくロケ地の一つに「離島」があります。その理由は「離島には病院がないため、対応ができない」「島には高齢者が多い」などです。ですから、離島での撮影相談は止むを得ずお断りすることが続きました。
現在もコロナ禍ですが、一時期よりも緩和状態になり、先ずは私たちということで釣島(つるしま)に行ってきました。釣島を訪れるのは10年ぶりほど。釣島には商店も自販機もありません。でも島には1873年(明治6年)6月15日に点灯した釣島灯台があります。この灯台を設計したのも、初代灯台守もイギリス人、だから灯台の側に建てられた官舎も洋風なのが特徴です。
訪れてビックリするのは、高い位置から眺める景色です。視界には二神島、怒和島、中島、睦月島などが近くに見えますが「見た距離感と実際の距離は全然違い、意外と遠いです。」とのこと。そして灯台と官舎を写真に収めると、日本(愛媛)だけど異国情緒というか外国のシーンがとれそうな気がしました。県内で最も古い現役灯台が醸し出す雰囲気かもしれませんが、周囲も地域の方々などにより整備され、いろいろなシーンを想像したのは言うまでもありません。
実は当日の天気予報は雨でした。せっかくのロケハンで雨は印象が異なるので内心、残念と思っていましたが釣島へ渡ろうとした時に曇天になり明るくなり、灯台へ着いた頃には青空が雲の切間から見えて、その後はスッキリと澄んだ秋空になったのには驚きました。
余談ですが、フィルム・コミッションの多くは「自分達を晴れ男、晴れ女」と思っている人が多く(私もです)、今回もその力を発揮してしまったと、誰からも言われなくても思ってしまいました。
離島での撮影は天候に左右されることが多いので数が少ないのが実情ですが、離島でしか撮影できない景色があるのも事実で、どのようにPRできるか?また島民の方に安心してもらい撮影できるか?宿題となりました。