アジア最大級の映画・映像作品のマーケット「香港FILMART」へ14年ぶりに行ってきました。
コロナ禍で4年ぶりの現地開催(過去3年間はオンライン開催)となり、マーケット特有の雰囲気を味わってきました。イタリアなどのヨーロッパ、マレーシア、タイ、韓国、台湾などアジアの各国からのパビリオンは、久しぶりの現地開催に力が入っていました。
その中でも中国系のパビリオン(中には作品に登場するセットを再現しているものも)は数が多く、とても派手でした。近年、中国系映画は勢いがあり、作品も豊富なことから、セラー(作品を売りたい人)、バイヤー(作品を買いたい人)の交渉が、あちらこちらで見られました。
そんな中、私たちは「ジャパン・フィルムコミッション」の一員としてブースを設けました。
中国をはじめ、シンガポール、フィリピン、マレーシア、インドネシア、韓国など多くの映画・映像制作者が訪れ、企画書などの資料で日本での撮影について相談を受け付けました。
個人的に印象的だったのは、俳優さんが訪れたり、掲示したポスターを指差して「この作品、大好き!」と声をかけてくれる人もいて、映画・映像制作者ではありながらも、作品のファンである個人に変わりはないということでした。
訪れた多くの人が「瀬戸内海」を知らず、四国・愛媛も知りませんでした。とは言え、瀬戸内海や愛媛県は国際的な観光情報などで「訪れるべき所」などとして紹介されています。
映画・映像制作者たち、または作品を愛媛に誘致することで、作品を介して愛媛の魅力は発信されます。東京や京都、大阪、北海道、沖縄は知られていますが地方都市は知られていません。まず、魅力を知ってもらわないと誘致には結びつきにくいと思った反面、(可能性しかない!)と思ったのも事実で、撮影誘致にはインセンティブ(優遇措置)が効果的とも教えられ、どう作戦を練ったらいいか?という機会となりました。
期間中はトークセッションも数多く行われ、インド映画や韓国映画のプロデューサーたちがアジア映画の可能性などについて探っていました。偶然にも「第95回アカデミー賞」の授賞式とも重なり、「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」が作品賞や主演女優賞受賞のミシェル・ヨー、助演男優賞受賞のキー・ホイ・クアンというアジア俳優の活躍に会場は沸きました。
4年ぶりの開催で大いに盛り上がった香港FILMART、やはり現地で対面開催は臨場感があり、映画・映像作品が貢献できることは多いと思った4日間でした。