松竹株式会社、東宝株式会社、東映株式会社、株式会社KADOKAWAの4社で構成される日本映画製作者連盟から、2024年1月1日から12月31日に公開された劇場映画についての「2024年日本映画産業統計」が発表されました。
フィルム・コミッション的に気になるのは、邦画の興行収入です。
2024年は1,558億円と、これまで最高だった2016年(「君の名は」「シン・ゴジラ」など)の1,486億円を約5%上回る新記録となりました。
洋画は前年比69.8%の511億円でした。なので劇場公開された洋画と邦画を合算した総興行収入額は2069億8300万円(前年比93.5%、144億円減)でした。
割合は邦画75.3%:洋画24.7%でした。
ちなみに10億円以上の興行収入をあげた作品はヒット作として記録に残ります。
洋画で10億円以上のヒット作は10本(公開本数505本)。
それに対して邦画は31本(公開本数685本)と、洋画の3倍以上となりました。
とは言いつつ、邦画で10億円以上の興行収入を記録した31本のうち、アニメ作品は計14本で、トップ10で見ると6本がアニメ作品でした。アニメ作品の人気が分かる結果でした。
そして、今年も100億円超の作品が複数本ありました。
第1位は「名探偵コナン100万ドルの五稜星(みちしるべ):158.0億円」。
第2位は「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦:116.4億円」。
2022年から3年連続で100億円超の作品が複数本入ったことは、日本映画史上初です。。
と言うのも、100億円の興行収入には1,000万人以上の動員数が必要で、日本の全人口の12人に1人は鑑賞している計算になります。そんな作品が複数本あるのは驚きです。
ただ、一方で10億円以上の興行収入をあげた31作品の合計興行収入は1050億円でした。
邦画全体で1558億円の興行収入でしたから、67%の占有率となり、残りの興行収入(507億円)を654本で平均すると1本あたり平均7700万円の興行収入という計算になります。
1本で100億円を稼ぎだす作品がある一方で、1億円未満の興行収入の方が多い現実。
そもそも2024年は685本の邦画が公開され(洋画は505本)、これは毎日1.87本の新作が公開されています。
フィルム・コミッションとしては支援作品が多く方に観ていただけることを願っていますが、観られる作品、観られない作品の格差が広がっていることに一抹の不安を覚えます。