12月4日、石川県七尾市で開催された第16回アジアテレビドラマカンファレンス(ATDC/14回目までは韓国で開催され、15回目から日本で開催)に参加しました。
日本を含む9カ国(韓国、中国、台湾、タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、インドネシアなど)から計200人以上の映像関係者らが集まり、ドラマや撮影などの可能性を提言や議論しました。
カンファレンスと通して、印象的だったのは、この先の映像産業や作品を考えると「クロスボーダー化(国境を越えた作品作り)」は避けられないという言葉でした。
これは、登壇した日本、韓国、中国の制作関係者は、それぞれの立場から違う言葉や状況を伝えましたが、韓国からは「世界をマーケットにした作品づくりを意識している。」と紹介があり、中国からは「56の民族が共存する中国で多くの民族が共鳴する作品づくりを心がけている」と紹介があり、日本からは源監督(愛媛で「グレースの履歴」を撮影)が「自分の作品を韓国や中国でも撮影したい。すると同じ作品でも全く違うものになる。」などを紹介しました。
これだけ世界が身近になる中で「作品は世界をまたぐ」的な発言でしたが、一方で「ウケるフォーマット化に覆われる世界」にも指摘がありました。
これは、例えば「心に傷を負わされた諜報部員が復讐で権力へ立ち向かう」「恋愛下手な主人公が想像もしない恋をする」など、俳優や演出、舞台は違っても似たような作品、同質的な作品が多く、もったないというものでした。
ウケる作品は今後も増えるとしながらも、各国で培われた歴史や文化という独自性・オリジナリティを大切した上でのアクションや恋愛などがの作品が生まれたらいい。
そして「普遍的な要素(例:家族の感情など)」を物語に組み込み、脚本や演出、編集で世界観を磨き上げることで世界に通じるオリジナル作品が生まれるという解釈で受け取りました。
何となく感じていたことが、制作の最前線で活躍しているプロデューサーや監督らに言語化されたことで納得度合いが高いカンファレンスになりました。
その他、カンファレンスでは最新技術のPRがあったり、若手クリエイターからのPR、ビジネスマッチングなどもあり、盛況で終わりました。