えひめフィルム・コミッションの開局(2002年)から今年で23年目ですが、愛媛で撮影されるロケ地の上位、それも駅ならばトップかもしれない場所が「下灘駅(無人駅)」です。
えひめFCの開局前から「青春18きっぷ」「男はつらいよ、寅次郎と殿様」などで撮影、登場していた下灘駅。
私が担当しただけでも「HERO特別編」「リバース」「グレースの履歴」のほか、コマーシャル撮影、アニメ作品でも描写されました。
撮影に人気なのは「海ぬけ」とよぶ、駅の向こう側が海面に見えるロケーションだからです。
駅のベンチに座り写真を撮ると、背景は海と空の境界線が曖昧な青い景色となり、とても印象的な画になります。
そんなことから大人気、聖地となり、いつ行っても必ず人がいるという駅になりました。
現在も定期的に下灘駅での撮影相談はあり、そんな時はJR四国の広報室を紹介したり、問い合わせていました。あまりにも問い合わせが多いのでJR四国さんから、「持っていてください。」と、駅での撮影申請書を預かっていたほどです。
そこへ「JR四国ロケーションサービスが正式に発足しました。」という連絡をいただき、小豆島で「からかい上手の高木さん」のロケ地めぐりを途中離脱してJR四国企画へ、打ち合わせに訪れました。
2023年の実績はテレビ撮影、コマーシャル撮影、ミュージック撮影、ウェディング撮影など19本で下灘駅での撮影が目立ちました。今後も増えていくことは確実でしょう。
今回JR四国企画が撮影窓口になったことにより、正式に有料撮影となりました。
これにより、撮影隊はより安全で確かな撮影ができるようになります。関係者が撮影に立ち会っていただくことで、近隣住民や関係者との調整役を担ったり、撮影車両の駐車場の確保などを任せることができます。
フィルム・コミッションとしても地域にお金が落ちることはありがたいことで、下灘駅だけでなく愛媛県内でのJR施設・敷地での撮影相談があった場合は連絡することで打ち合わせはまとまりました。
このように撮影に対して企業や地域が正式に対応してくださるのは、撮影に対する効果や成果を認識しているからです。
余談ですが昔、怪獣映画の撮影があり、伊予灘から現れる怪獣を下灘駅にいた乗客が見つけて驚く・・・という設定がありました。そんな作品がきたら面白いだろうなと思い出しました。
撮影対応の金額も明確になったことで、フィルム・コミッションからも明示できるようになりました。
撮影へのメリットを感じてくれた協力者との縁が太くなりました。