邦画におけるフィルム・コミッションの影響力について

2000年頃から日本のフィルムコミッション(以下:FC)は誕生し、その数は300以上あると言われ、130ほどのFCがジャパン・フィルムコミッション(以下:JFC)に加盟しています。

2000年の邦画の劇場公開本数は282本。2024年は685本まで増え(2.4倍)、毎日1.8本の邦画が公開されています。
ヒットの目安となる興行収入10億円(=日本映画製作者連盟の映画産業統計に残る基準)を超える作品は、2015年から2014年までの10年間で平均33本。

2015年から2014年までの10年間の邦画の平均劇場公開本数は607本なので、ヒット作品の割合はわずか平均5%/年。
残り95%(576本)は興行収入が10億円未満。
ちなみに、2025年2月14日に公開された「劇場版トリリオンゲーム」は興行収入が19億円超となり、えひめフィルム・コミッションが撮影支援をした作品では「真夏の方程式(33.1億円)」以来のヒット作品になりました。
えひめフィルム・コミッションが撮影支援をした作品で最も興行収入が高かったのは「世界の中心で、愛をさけぶ」の85億円です。

2015年から2014年までの10年間でヒットした作品は33本/年。
FCはこのヒット作品の60%を撮影支援しています。
すると、残り40%は何か?と思われる人も多いと思います。実は残り40%のうち34%はアニメ作品です。
「シン・エヴァンゲリオン」「名探偵コナン」「竜とそばかすの姫」「がんばっていきまっしょい」などアニメ作品にも関わることが多くなったFCですが、多くはありません。アニメ作品への支援・協力が増えることで撮影支援率はさらに高くなります。

一つ、現状を書くなら2024年の邦画の興行収入は1558億円と過去最高となりました。
しかし、そのうちの1050億円はヒット作品(計31本)が稼ぎ出した額です(67.4%)。

すると残りの507.9億円は654本が稼ぎ出した額となり、1本あたりの平均興行収入は7766万円/本です。
ただし、10億円未満の作品も9億円、8億円、7億円と稼ぎ出していることから実際の興行収入額は7766万円/本よりも低いと推察できます。

そのような作品の方が多い邦画作品の撮影支援をしている愛媛を含む日本各地のFC。
支援のほかにPR、その後の地域への誘客促進などに作戦が求められています。

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