こんにちは、えひめフィルム・コミッションの泉谷です。
6月26日に兵庫県神戸市で行われたNPO法人ジャパン・フィルムコミッション通常総会にて、2019年から3期6年務めた理事長職を小室裕一新理事長へバトンタッチしました。
初代理事長の寺脇研サンから、2代目理事長の田中まこサンへ引き継がれ、3代目理事長として過ごした日々を振り返ると色々なことがありました。その振り返りを前編、後編で記します。
私が理事長になったのは2019年。
その時の総会は宮城県仙台市でした。
その際に全国各地から集まったFCたちへ宣言したのが「(フィルム・コミッションの)トップではなくセンターになる。」でした。
この意味は、私自身も一人のフィルム・コミッショナーとして、全国各地のFCの中核になり、全国各地のFCネットワークの力を太くしたいという思いでした。
そして、「アニメ作品も積極的に支援しよう!」「効果や成果の可視化」も掲げました。
一つ一つのFCは小さいですが、各地のFCを繋ぎネットワークを構築することで、協力関係や影響力が濃くなり、高まることを狙いました。そのために、普段は研修や総会などに出席できないFCへも赴き、現場の声を拾い、組織としての相談、担当者としての相談などに対応しました。
アニメ作品も積極的に支援しよう!は、これまでにも支援はしていましたが、撮影の誘致&支援は実写作品というイメージが強かったので、なかなか表に出しにくかったです。
しかし、名古屋ロケーションナビが支援した「名探偵コナン-緋色の弾丸-」が100億円を超え、山口フィルムコミッションが支援した「シン・エヴァンゲリオン」も100億円超え、高知フィルムコミッションが支援した「竜とそばかすの姫」もヒットとなると、一気にアニメ作品への関わりも増えたと感じがしました。
えひめフィルム・コミッションでも2024年10月に公開の「アニメ版がんばっていきまっしょい」に協力しました。
効果や成果の可視化は、フィルム・コミッションの影響力はどれほどなのだろう?という疑問から始まりました。
最近は一年間に劇場公開される邦画は600本/年を超えています。そのうち、ヒットと呼ばれる目安は10億円以上の興行収入で記録に残ります。
しかし、10億円以上の興行収入を残す作品は年間で30本程度です。
これは劇場公開本数の割合からみるとわずか5%/年平均です。
全ての作品の興行収入が分からない状況において、記録に残っている10億円以上の作品を2015年から2024年までの10年間で調べると、FCが支援した作品の割合は最高76%、最低42%、平均59%でした。
このように、FCの作品の影響力/関与はこれまで数字化/数値化されたことはなく、積極的に行ったことで、客観性を持たせることができ、第三者でも分かりやすくなりました。
他にも色々ありましたが、最もタフだったのは、2020年から2023年まで3年間のコロナ禍でした。
緊急事態宣言が出た時は日本全国の撮影が止まりました。また、映画館も閉鎖されました。
フィルム・コミッションはこの先、どうなってしまうのか?日本だけでなく世界中で撮影が止まりました。
(後編へ続きます。)