香港FILMARTへ参加_後編

香港FILMARTのようなマーケットは映画・映像産業の鏡とも言えるので、動向や潮流が反映されていることが多く、読み解くことで少し先を見ることができます。会場を見て回ると、特に3つのトレンドを確認しました。

会場は香港コンベンション&エキシビジョンセンター

一つ目は「アニメ作品の躍進」。
これは去年の香港FILMARTでもそうでしたが(実際はもっと前から)、アジア圏でもヨーロッパ圏でもアニメ作品は勢いづいていて、、かつ作品のクオリティも高く、その高さゆえに「表現手法」もファンタジー系から劇画系、超リアル系、モーションアニメ系などバラエティ豊かでした。

この背景にはアニメに慣れ親しんで育ったクリエイターも鑑賞者も若い世代が台頭してるからと思いました。アニメはゲームとも親和性が高いため、アニメ作品の可能性はさら広いです。

二つ目は「作品の多様性」。
驚いたのは会場の入り口は“つかみ”なので、ド派手な装飾物やセット、巨大なモニターで作品の紹介をしていましたが、その巨大モニターに映っていたのは、男性同士がキスをしているアニメーションのシーンで、思わず立ち止まってしまいました。

いわゆる「BL(ボーイズラブ)系」で、理解はしても慣れぬシーンが大きく映し出されたのには驚きました。作品の多様性と言えて「あれは一種のファンタジーですよ。」と、驚く私に冷静な説明が忘れられません。

三つ目は「撮影テクノロジーの小型化」。
これまではスタジオも機材も大きく多く、それがウリだった時代もありましたが、もう全ての撮影に巨大なスタジオや巨大な装置は不要かもしれません。
カメラは小さなiPhoneでも十分な画質ですし、クレーンもコンパクトでプログラミングで全自動撮影。カメラマンはカメラではなくPCを操作していました。機材もPCに接続されてシンプルになっていました。
ちなみに背景はLEDなので、動いている映像を流すこともでき「ノンリニア編集」が益々身近に小型になっていました。

撮影技術会社はデモンストレーションを、こぞって実施していました。

撮影現場でも人手不足と言われており、少数精鋭で高品質な作品を制作できることは、プロとアマの境目をいづれ消失させますし、劇場公開作品、配信作品という区分けも無くなるかもと思わせました。

このようなトレンドを海外情報と切り分けせず、地域に落とし込み、今後の取り組みに活かせればフィルム・コミッションとしての可能性も広がります。

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